書かねばならぬ

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『麗~花萌ゆる8人の皇子たち』考 ①第9皇子ワン・ウォン

麗~花萌ゆる8人の皇子たち テレビ愛知で全話視聴し終えた。チャラいタイトルからは想像できない、見応えのある史実をベースにしたドラマだ。本エントリーからは、『麗~花萌ゆる8人の皇子たち』の感想というか、考えを記していこうと思う。

 

☆以下、ネタバレはあるが、あらすじではない。

見終えて、印象に残っていることより、一番の謎から。

他の皇子は何かとヘ・スと関わっているのに

本作において、皇子たちはヘ・スと様々な関わりを持つ。第4皇子、第8皇子については書くまでもない。そして、第10皇子、第13皇子、第14皇子の3皇子は、”飼い犬もしくは弟”、”ソウルメイト”、”最期を看取った夫”とヘ・スにとって関りの深い存在である。

主従関係という点で密接なのが、第1皇子と第3皇子。ヘ・スはどちらの皇子(というか皇帝)に対しても茶美院の尚宮として仕えている。特に第3皇子に至っては、死の間際、大好きなママン(皇太后)を自室より追い出して、ヘ・スに次期皇帝を選べと迫る、そのままヘ・スの目の前で逝ってしまう。

しかし、第9皇子については、そのような関りが全くと言っていいほどない。放送の都合上、カットされているのかもしれないし、単純に見逃したかのかもしれないが、ヘ・スとは1対1での関りがない。

第9皇子、全体的に残念

全体を通しての第9皇子は、兄上とつるんでは悪さをしている影の薄い人という印象。父・太祖時代は、兄弟が仲良くしているときには一応いる。兄・恵宗(第1皇子)時代、第8兄上案とはいえ恵宗(の風呂)に毒を盛る(実質、指導役)。恵宗逝去に際して第3兄上に随行し、ヘ・スに刀を向け、後から来た第4兄上を屈服させるのに加担している。しかし、第3兄上逝去~第4兄上即位時、第9皇子はほぼ表面に出てきていない(第4と第8の対立がメインだし)。第4兄上即位後は、第8兄上と同盟関係にあるようだが、自分の立場が悪くなると第4兄上に寝返り第8兄上を陥れる。第3兄上→第8兄上→第4兄上と渡り歩いては悪事をせっせと働いている残念な皇子という印象しか残らない。そして、最後は第4兄上からも切り捨てられて、終了。

やっぱり残念な皇子

どうして第9皇子は残念な印象でしかないのか。それは、バックが弱いのが一因ではないだろうか。

古代社会ではどの母から生まれたのかが重要であり、子の将来が決まることさえあった。ドラマを振り返ると、第3、4(養子に行きましたが)、14は皇后ユ氏、第8(とヨナ皇女)は皇后ファンボ氏、第10は建国に尽力した重臣の娘、第13は新羅王の妹だか従姉妹にあたる娘で、皇子たちの外戚は豪族だったり重臣だったり滅びた国といえども王族だったり。一方、第1皇子は母親の地位が低いような描写があったが、父・太祖待望の第1子であり、後継として実績(いろいろ出かけてましたね)がある。しかし、第9皇子について、母方について描かれていない(カットされたか?)。おそらくだが、ユ氏やファンボ氏のような豪族ではなく、建国時に功績をあげた系臣下の娘が母親で、太祖とも関係が深くないと推測される。また、この第9皇子、国家運営において実戦経験があるようにも見えない(ボンボン的な感じ)。

これらを踏まえると、第9皇子、強いバック(外戚や経験値)がないが為に、長い物(兄上たち)に巻かれていないと速攻で抹殺される危険があるから、残念な印象につながっていると考えられる。 また、弟たちはカタチはどうであれ、最後はどうであれ、”愛する者”を手にしている。ほんの一時ではあるが、幸せを手にしているのだ。しかし、第9皇子は幸せそうな描写が見られない(放送上、カットか?)。故に、弟たちと比べても、残念なヤツとしか言えない。

 

以上、第9皇子ワン・ウォンについて長々と書いてきた。

結論は、”残念皇子”、これにつきる。

 

長々とお付き合い、ありがとうございます。